BABナビ(バブナビ)|就職・転職成功者の声vol.9(視覚障害 腎機能障害)

〜株式会社アクトコール入社〜

『障害者雇用がコストでもリスクでもないことを証明したい』

木暮 雅寿 さん/男性/39歳
障害:身体障害1級 視覚障害 腎機能障害

障害について教えてください。

 34歳の時、糖尿病からの合併症により、突然視力を失い、全盲になりました。また、同じく腎機能障害になりました。週3回の透析治療が必要で夜間透析を行っており、1回の透析時間は約4時間〜4時間半かかります。今後も何かしらの合併症が起こりうる可能性があります。

〇木暮さんは、東京都視覚障害者生活支援センターからの紹介がきっかけで、弊社D&Iを知り、採用イベント リクルートカフェにて、株式会社アクトコール様に選考が進み、入社に至りました。

障害を持ってからスタートした就職活動というは、実際のところいかがでしたか?

 就職活動の時期は、自分に何が出来るのかわからず、また、お仕事ではどのようなことを行わせていただけるのかも不安でいっぱいでした。
 初めに、東京都視覚障害者生活支援センターで機能訓練により生活全般を習得し、就労移行支援にてパソコン技能の習得と就職活動について行いました。
 その後、D&Iのリクルートカフェの参加やその他でも企業へ応募活動をしていました。リクルートカフェは8〜9回程参加し、就職活動全体では、50〜60くらいの履歴書を出しています。
 就職活動を始める前は何とかなるだろうと思っていました。しかし、動き出してみると、何とかならないというのを実感し始めていた時に、出会ったのがアクトコールでした。アクトコールのリクルートカフェでは、会社見学も含んでいて、そのような取り組みをしていたところは、障害者雇用に積極的な姿勢が伝わりました。
 企業に自分の事を伝えるときには、パソコンがどこまで使用できるということや通勤・食事は自分で普通にできることを伝えました。ここまでどうやって来たのか、生活ができているのかを最初に疑問に思われることが多いと思うので、仕事について何ができますというよりも、普通に生活できることをまずアピールしていました。

仕事内容を教えてください。

 エクセルでのデータの加工、集計、会員登録のデータの精算、コールセンターのモニタリング、CSR活動の企画・運営等です。パソコンのスキルは、障害を持ってから東京都視覚障害者生活支援センターで習った技術が活かされています。
 CSR活動の企画・運営では、障害について学んでもらうことを行っています。私が、企画をして社内や小学校に訪問して行ったりもしました。来期に向けての企画を今練っているところです。

仕事のやりがいについて教えてください。

 私自身、毎日何が出来るのかを考えていたので、自分が行ってみたいことを周りの人に聴いてもらい、実際に行わせていただいているのがとても嬉しいです。CSRの活動は、自分が行いたいと言って実施したことで、入社して1ヶ月も立たないうちに、担当させていただきました。

困難に感じていることはありますか?

 今行っている仕事に関しては、困難ではなく、仕方がないなと感じています。例えば、複雑であると文字化けが出てしまうことや、ロゴの写真や色彩等がわからないことがありますが、これは困難ではなく、目が見えないという質性上仕方がないことだと思っています。
 そのことよりも、仕事ではないのですが、一番困難であるのは通勤です。白杖を蹴っ飛ばされることや、電車では後ろから押されたり、引っ張られたりと、まだまだ視覚障害者に対しての社会的理解が低いなと感じています。そのような中でも、優しく声をかけてくれる方はいて、有難みを感じています。

今後チャレンジしたいことは何ですか?

 私に続く、視覚の障害にとらわれない障害者の雇用がもっと増えたらいいなと思っています。それは障害者雇用に限らず、会社の規模が大きくなることも、従業員の数が増えることも意味しています。
 初めて障害者の雇用に挑戦した企業なので、私を雇ったことによって、これからも障害者の方を雇いたいというように思われたいと思います。入社式では、「障害者雇用がコストでもリスクでもないことを証明します」と大口をたたいてしまったので、それを目標として、実現に向けて取り組んでいきます!

〇中途で障害を持ち、就職活動を始めた木暮さん。
インタビューを通して、とても前向きでアグレッシブな印象を受けました。

障害を受け止めながらも、前向きに新しい生活に一歩踏み出せたきっかけについて教えてください。

 正直、目が見えなくなった時は、もう駄目だなと思いましたし、相当病みました。その中でも、転機があって2人の方との出会いに救われました。

 1人目は、大学病院の精神科の先生です。
 自分は死んでしまってもいいのではないかと思った時がありました。精神科の先生に「自殺は悪いことですか?」と問いかけた時に、「もちろん、いけないことです」と言われることを予想していたのですが、反して、先生は、「難しい質問するね、私はいけないとは思いません。」と答えてくれました。その時に、大学病院の先生の考えと当時病んでいた自分の考えが一致するということは、まだ自分の考えは大丈夫なのかも知れないと思えたのです。
 
 2人目は、視覚障害者の先輩です。
 視覚に障害を持ち、どうにかしないといけないと思いまず電話した世田谷区にある視覚障害者のNPO法人で、当時63歳の全盲の男性とお話する機会がありました。そこで、その男性は「木暮さん、(障害者が生活をする上で)意外と日本は捨てたもんじゃないから」と言ってくれました。続けて、「私はどこでも一人で行くよ。この間は、中国に一人で行ってきたし、来年はフランスにも行く」と。最初は何を言っているんだと思いましたが、63歳の方ができて、自分にも出来ないわけがないと吹っ切れました。私にとっては、未だにその方がライバルであり目標で、開き直れたのが私にとっての転機でした。そこから、掃除も洗濯も一人でチャレンジするようになり、意識がガラっと変わりました。この話の後に東京都視覚障害者生活支援センターに通うようになりました。その男性の存在が、励みにも勇気にもなりました。

就職・転職活動を行っている方に対して、一言コメントをお願いします!

 やりたい気持ちがある限り、諦めないことが大切だと思います。手伝ってくれる人は必ずいますし、何とかなると思ってほしいです。大丈夫、大丈夫と言い聞かせてください。
 世間的には障害者の方のよくないニュースばかりが流れていますが、きちんと働いていけることや可能性があることをもっともっと知ってほしいと思い、私たちもそのことを示せるように頑張っていますので、絶対諦めないでほしいと思います。

//INTERVIEW 2014.11.7//

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編集者の一言

 中途障害で突然視力を失ってしまった木暮さん。
 いきなり目の見えない生き方を迫られた中で、転職活動はなかなか上手くいかなかったとお話してくださいました。
 そのような中、木暮さんの考え方や人柄により株式会社アクトコール様に採用が決まり入社されました。

 現在、障害者理解を広げるCSRを先頭に立って促進をしているように、障害ということを弱みではなく、逆に強みにして活躍されているように感じました。
 木暮さんだからこそできる、会社での価値を発揮していると思います!

 「自分を採用したことで、次も障害者の方を採用したいと企業に思ってもらえるようにしたい。障害者雇用がリスクでもコストでもないことを証明します。」と語る木暮さん。
 自社に向けてはもちろん、社会に向けても発信したい強いメッセージです。(広瀬)