『今までに経験のない働き方を求めて。企業の方の歩み寄り、家庭と両立できる在宅勤務が転職の決め手になりました』
S.Hさん/20代/女性
障害名:身体障害1級 視覚障害(全盲)
視覚障害で全盲です。1歳の時に病気で全盲になったと聞いています。
5年前、勤めていた会社でスキルアップをするため、障害を持っていても通うことが可能なビジネススクールを探していたところ、インターネットの検索でD&Iを見つけたのがきっかけです。
アパレル業界の会社で働いていましたが、会社としても視覚障害者を初めて雇用したのでどのように対応したらいいのかわからない、一方で、私自身も任せていただいたお仕事に応える術がなく、工夫をしなければいけないと悩んでいました。
その際、D&Iの方が親身になって悩みを聴いてくれ、また私の現状に合った講座を紹介してくれたので講座を受けてみようと思いました。
人事総務の仕事をしていたので、事務・人事関係の講座を受講していました。
講座では、名刺交換の仕方のような基本的なビジネスマナーから、面接のタイムスケジュールの作り方、会社のCSRでどのようなことができるかのアイディア探しやノウハウなどを教えていただきました。
会社のCSR活動推進プロジェクトのリーダーに抜擢され、点字のカタログをデパートにおけることになり、その際もD&Iの方々に相談しました。
ビジネススクールでは、他社で自分とは異なる障害の友人もでき、相談や切磋琢磨などして今でも仲良くしています。「あの子がしている仕事は、私にもできないかな」などと考えたりヒントを得ながら通っていました。
また、ビジネススクールに現在の夫を紹介し、D&Iの方々に結婚式の受付や乾杯もしてもらいました。
プライベートでも相談にのっていただき、現在も情報交換会に夫婦で参加するなど仲良くさせていただいています。
キャリアアップのためです。
前職では6年働き、人事から特例子会社の相談員等の役割なども担うことができ、誇りに思っていましたが、視覚に障害を持っているということで、職域に制限が設けられてしまったため転職を決めました。
また、今までの経験よりも先の新しい働き方や知らない世界を見てみたいと思いました。
今までにやったことがない仕事がしたかったのでアパレル以外の業界で、また、企業の方の受け入れようとする姿勢が感じられて素敵だなと思ったからです。
面接でお伺いした際に、上司の方が仕事を多く任せようと前向きに歩み寄って下さったのがわかりました。
最初はこのような仕事を行ってもらいたい、でも今後はパソコンスキルや話すスキルを生かして見えない人たちのパイオニアになってほしいと言ってくれました。雰囲気や見える見えないではなくて、「あなたに働いていただきたい」と言っていただき、人間性で判断してもらえたのがすごく嬉しかったです!
また、結婚していて家事も両立して行いたいと思っていたので、『在宅』での働き方にも惹かれました。
不動産業界の会社で、オーナーや取引をしている他社の信用調査や経済関連や不動産関連のニュースのスクラップを行う仕事です。それが最初の仕事ですが、今後はパソコンを使ってワードやエクセルを使った仕事や人員管理のスキルを持っているので活かしたいなと思っています。
「勇気をもってどんな業種にも飛び込むこと」、それが一番大事だと思います。
自分がもしかしたら無理だなって思ってしまったら始まりませんが、そうではなく、「できる!」と言い切ってやってみましょう。できると決めたら、それに向けて取り組むためできるようになります。
//INTERVIEW 2014.8.29//
D&Iのビジネススクール開講当初から、現在まで、働くかたわらビジネス講座や情報交換会へ参加してくださっています。
Sさんは、「スキルアップをして、様々なことにチャレンジしてみたい」、そんな想いを前面にしてお仕事に取り組む姿勢が魅力的で、お会いすると私もパワーをもらっています。
そんなSさんだからこそ、「視覚障害だから」ということにとらわれない、新しい世界を見てみたいと転職に踏み切ったのですね。
在宅勤務をしながら、家庭も両立しているSさん。
ぜひ、今後も最前線で色んなお仕事を開拓してほしいと思います。ご活躍を期待しています!(広瀬)