BABナビ(バブナビ)|Vol.3〜株式会社アクトコール〜

『初めての障害者雇用。障害者の方が入社したことが、会社や周りの社員のプラスにつながっています』

貴社での障害者雇用の考え方を教えてください。

 障害者雇用に対しては、特別なことだとは思っていません。働くことを希望している優秀な方が、たまたま障害を持っていたというような認識です。日本では、法定雇用率の概念があり、もちろん、それは企業として義務であるのはわかりますが、だからと言って、人をポイントで考えることはしたくないと考えています。
 とはいえ、会社の規模が大きくなり従業員が増えたことをきっかけとして、弊社でも障害者の方を採用しようということに踏み込みました。
 これまで障害者の方を採用したことがなく、障害者雇用に関して何から始めればいいのかわからなかったため、D&Iに協力してもらいリクルートカフェを開催していただきました。障害者の方を集めてもらいお話をしたときに、その中で後に採用させていただいた木暮さん(身体障害1級 視覚障害 全盲)の人柄が、私たちがどんなポジションの方に対しても求めている人柄にマッチしたので、木暮さんを採用したいと思い、障害は何であろうと関係はありませんでした。
 そのような考え方は、採用する前も採用後の今も変わってはいません。

初めて障害者の方が貴社で働くようになってみていかがでしたか?

 木暮さんに入社していただき、周りの社員のモチベーションを上げたり、若い社員も研修を受けたりして、障害とはということだけではなく、話し方や相手の立場に立って考えること等含め、従業員みんなのプラスになっています。障害者の方が会社で働くことで、とてもよい影響力があるのだなと感じたため、障害者雇用は率先していきたいと思いますし、障害者に限らず、外国の方等、枠にとらわれず採用をしていきたいなと思っています。

弊社主催の採用イベント「リクルートカフェ」はいかがでしたか。

 よい機会になりました。やはり、障害者の方にお会いしてみないとわからないことが多くあると思いました。また、障害は関係なく、その方の考え方や性格を実際に会って感じることができて良かったです。
 手探りの状態でバリアフリーも意識したことがなかったので、リクルートカフェの会場として、弊社で行い、会社の上の階まで行ってもらって問題がないか等を実際に確認していただきました。また、仕事ありきでそこを担える方の採用ではなく、採用した方に何ができるかを考え仕事を担っていただく考えで臨みました。

採用の際、重視していることを教えてください。

 弊社の採用基準は、「明るく・元気・素直・勤勉・まじめ・愛嬌がある」ことを大切にしています。これは全ての採用において共通です。
 また、行動哲学でも、「利他的姿勢・感謝の心」を大事しています。相手の事を思いやることができるか、ありがとう、ごめんなさいが言えるかの、当たり前の事をいくつになってもできるかということです。

木暮さんを採用した決め手はどのようなところでしたか?

 弊社の求める人物像の採用基準を満たしているということの他、木暮さんは、障害を持ってしまった現状を受け入れ、尚且つ、前を向いている姿勢やしっかり物事を考えている点が高く評価できました。木暮さんの人柄に惹かれ、障害がなくても採用していたと思います。
 面接の場では、就職することに必死になって、自分にはこんなこともできる、あんなこともできるというアピールをすることはわかります。しかし、私はそのような時に、自分の弱みを言えた方が強い人だなと思います。
 そうはいっても、簡単には強くなれないと思いますが、アピールしすぎることで、その人の本質を消してしまい、あまり人間性が伝わらないまま、縁がなくなってしまった方もいらっしゃいました。

〇株式会社アクトコール様では、新入社員研修や社員研修に障害について学ぶ機会を設けています。

障害についての研修では、具体的にどのようなことを行ったのですか?

(CSR担当 木暮さんより)
 社内に向けては、「視覚障害者とは?」という研修や見えない経験としてアイマスクをして物を当てることにチャレンジしてもらうことをしました。毎回全員が受けている研修ではないため、新入社員、中途社員、既存社員にかかわらず、定期的に研修として行っていきたいと思います。
 また、私がきっかけだったのでこれまで行ったのは視覚障害者についての内容でしたが、今後は、車いすの体験や聴覚障害者とのコミュニケーション、精神障害や知的障害の施設に会社として行ってみること等、様々なことを行っていきたいと思っています。
 弊社の事業としても住環境を扱っているので、多様な方々について知るというのは大切なことだと思います。

今後、障害者雇用で取り組みたい、チャレンジしたいことはどのようなことですか?

 様々な職種で働いていただきたいと思っています。例えば、設備を整えなければいけませんが、ヘルスキーパーや託児所で見ていただける方を担当していただける方等いいなと思います。育児休暇から復帰した方等、様々なフェーズで、必要なポジションの仕事をしていただける方や、デスクワークやコールセンター等においても問いません。また、CSRの活動は、かなり活発的に行いたいので共に進めていければと思います。
 困難な経験がある方は、相手の気持ち立てる優しい人が多いのではないかと思うので、そのような現場では、適任ではないかと思います。

■□木暮さんからのコメント□■
 アクトコールでは、障害者雇用に関して、変なとらわれがなく、かたちを持っていないので、考え方はフリーです。障害の有無は関係ないというような社風ですね。
 目が見えない私が入社したときに、社員の方が考えて点字を用意してくれました。しかし、私は点字が読めません。(笑)
 知識も理解もないところからスタートで、私自信も私ではない障害の方の事を知るために、会社を巻き込んで、引き続き学んでいきたいと思います。

就職・転職活動をしている障害者の方と障害者雇用を進めている企業様にPRや一言コメントをお願いいたします!

 企業の方には、人材不足や売り手市場で大変ではあると思いますが、実は障害者の方の中にも、優秀な方はたくさんいるので、人材の宝庫だと私自身は思っています。障害を受け止めながら懸命に励んでいる姿は、社員に刺激を与えると思いますし、私たちが求めている、思いやりを持ち、ありがとう・ごめんなさいという気持ちを素直に伝えることを若い社員たちに再認識させるきっかけになると思うので、障害者の方を採用しない手はないと思います。

 障害者の方に対しては、自信を無くしている方、辛い想いをされた方もいらっしゃると思いますが、自分を隠さず就職活動に臨んでほしいと思います。入社をして、長い時間一緒に過ごすのであれば、本当の自分を出して採用されるのが一番幸せであると思いますし、気持ちも楽に働くことができると思います。不安はあるかもしれないけれども、本当の自分を出して面接すれば、発する言葉は嘘偽りのない言霊のようになって、たとえ稚拙な言葉であっても相手に伝わると思います。

//INTERVIEW 2014.11.7//

→働く障がい者の方インタビューはこちら

編集者の一言

 昨年度、手探りの中で初めて障害者の方の採用をした株式会社アクトコール様。
 木暮さんが入社したことによって、他の従業員にも良い影響を与えていますと最初に伺いとても嬉しかったです。

 インタビューを行う中で、株式会社アクトコール様では障害ということにとらわれることなく、“その方だから採用したい(たまたま障害を持っていただけ)”という想いで向き合っているところが魅力的だと思いました。

 社内でますます障害についての理解を高めながら、今後様々なポジションでお仕事を担う障害者の方の活躍を大変期待しております。

 お忙しい中、インタビューにご協力いただきまして誠にありがとうございました。
 引き続き、よろしくお願いいたします。(広瀬)